朝9時に、おなじみ学友のビッキーさん(アメリカ人、ミネソタ州出身)と待ち合わせして、向かった先はチャールズリバーの土手。街中が、祝日ムードでむんむんの今日、眠い目をこすりこすり、ちんたら歩いてたどり着いた先はすでに人、人、人。。
何のことはない、きょうはジュライフォース。ここチャールズリバーの土手広場「エスプレナード」に設置された野外ステージでは、毎年独立記念日には恒例のボストンポップス無料コンサートが開かれるのであるが、それは午後8時から。じゃあ何でこんなに早く広場に来たのかというと、夜の入場に必要な整理券が朝から配布されるから。この整理券、昼前にはなくなってしまうそう。写真は、整理券と共に配布される今晩のプログラム。
このパンフ、中を開いてまずこの方がどーん!。「ボストンのエスプレナードで独立記念日を祝うために集った人々に、ご挨拶を申し上げます」こんな書き出しで始まっている署名入りのレターはもちろんジョージ・W・ブッシュ殿から。これを見て一気に体内さぶいぼ指数がどっ、と上がったため動揺しビッキーに「ジョージ・Wってさ、何か猿っぽくない?」とかなんとか言ってみたんだけれど、ビッキーには何だかはぐらかされた。仲良くはしていても彼女もやはりアメリカ人、自分の国の大統領のことは冗談でも悪く言われたくないのか?どうやら失言したようだ。。もう言うまい、少なくとも今日一日は。。
―――夕方になり、コンサートの3時間も前に広場に再入場してみると、そこはすでに人々のレジャーシートやキャンプ用テント(!)で一杯となっていた。聞くところによると、こうした「ピクニック組」の人々は午前中に来て、そのまま家族全員でこの広場で夜まで開演を待ちながら過ごしているというのだ。クーラーボックスにはビールやコーラなどの冷えた飲み物、さらにパンやソーセージを持参してサンドイッチなど作りながらわいわいとやっている。テントは陽射しをさえぎるのに役に立つし、中で昼寝を決め込むことも出来るから意外と快適そうだ。私とビッキーさんは、持参したバスタオルやヨガマットを敷いて、その上でひたすら日が暮れるのを待った
中にはアンクルサムの帽子を被ったやる気満々の人々も居た。きょうは街中の人がスターズ&ストライプスを身に着けている。私にとって、9・11以来星条旗は「対テロ戦争の行き過ぎた武力行使」の象徴としてか見れなくなっているが、その星条旗をモチーフにしたアイテムを、こんなにも多くの人が誇らしげに身に着けている風景は何だか不思議に思える。
場内にはやぐらが組まれ、CBSテレビの生中継クルーが配置されている。豪華10カメスイッチングである。この野外コンサート+花火は、今晩全国ネットで生中継されるのだ。この巨大なプロンプターを見よ。CBSの司会者用で、10mほど離れた舞台からも読めるようになっている。
ようやく8時となり、ボストンポップス指揮者のキース・ロックハートが現れた。キースに関しては、ボストングローブが昨日特集記事を載せたのだが、それには彼が女性関係にだらしないことを本人が認めたかのように書かれていた。ここまで書いちゃってきょうの指揮は大丈夫?とまで思ったほどだ。ちょっとがっかりしたが、ファンなことには変わりはない。きょうは間近でスイート・キースが見られて感激である。
日が傾き始め人々の興奮が頂点に達した頃、まずはあの曲の出だしが厳かに流れ出し、場内を埋め尽くしたピクニック気分の人々が、驚くほどの統制でざざっと一気に立ち上がって左胸に手を当てた。あの曲、それはアメリカ国歌。私も仕方なく立ち上がったけど、ついていけまへん、とてもとても。最後の節が流れ、私の「サブいぼ指数」が頂点に達した頃。。
頭上をものすごい爆音がつんざき、4機の戦闘機「イーグルス」が見事なタイミングで、隊列を乱さぬまま野外コンサート会場の真上を飛び去った。「フライオーバー」と呼ばれるイベントである。す、すげーけど、こ、怖えー。ケープコッドにある空軍基地から飛んできた102航空師団のパイロット達が操るのはF15。パンフに書かれたデータによると、9・11発生時には直ちにNYの燃えさかるワールド・トレード・センターまで向かい、さらなる敵からホームランドを守るため空の防御活動にあたった精鋭のF15師団らしい。
舞台には、ボストンポップスオーケストラと共演する陸軍バンドとソルジャーズ・コーラス隊の皆さん。軍服姿もりりしく、右斜め45度を見上げて誇らしげに愛国ソング・メドレーを歌います。「This is my country」「God Bless America」「America the Beautiful」「Yankee Doodle」等々アメリカ超マンセーソングの数々。大人から子供まで、もれなくノリノリで口ずさんでいるのには超驚いた。悪いけど、北朝鮮の愛国パフォーマンスと何ら変わりないんじゃないか、と思ったくらい。
途中あまりにノリノリで皆でラインダンスを始めた「アンクル・サム」帽子姿の一団。
しかし、ボストンポップスのソロでは、愛国ソングだけではなく、「スターウォーズのテーマ」や「1812序曲」など映画音楽で聴かせてくれた。スターウォーズが流れたときは、後ろに座っていたカレッジ・キッズが長い棒を持ち出して、ちゃんばらの真似を始めだして、吹き出してしまった。ここまできて、私も昔とった杵柄「吹奏楽部だましい」がうずうずしてしまいキースの指揮に合わせて、指揮の真似をしながらジャンプ!
第2部ステージは何と、カントリーミュージック。「Big & Rich」, 「Cowboy Troy」といった、「いかにも~」な名前のタレントさんが3組登場し、のりのりでカントリーを披露。
最後は、お待たせしました。川からの花火。中国や日本などから買い付けた50トンもの花火を25分間連続で魅せます。しかし「U2」とか「エアロスミス」とかのロックをがんがんにスピーカーで流しながらの花火は日本ではありえない。「しだれ桜」らしきものや日本でよく見る花火の形は識別できるのだが、かかっている音楽はロック、人々の服装は「アンクル・サム」そして、私の腕には午後8時から消えぬサブいぼ。
帰り道、夜11時過ぎにボストンのガス灯に照らされた通りを何万人もの「Patriots」と共に家路につきながら思った。この国は、ここの国籍を持つ人には、すごーく住みやすく自由でいい国で愛国心をかきたてられる国なんだろうなと。でもここを一歩出ると、外の人には、ここの人々は「大国であるがゆえに自分達のことしか知らない、自己中心的な人たち」のように映るんだ。
でも他人にどう思われようと、そんなことは気にしないのも彼らアメリカンの特徴なのであり。。愛国主義がてんこ盛りのチャールズリバーの土手で、星条旗を手がちぎれんばかりに振って愛国ソングを歌って高揚している何10万という老若男女を目の前に、かなり圧倒されてしまった。あなたは、日本をこんなにも愛せますか?
Recent Comments