イケメンコンダクター、キース様にめろめろ、Boston Pops初鑑賞。
【衝動】何故だろうか。朝起きたら、猛烈にボストン•ポップスが聴きたい!突然頭の中に湧いてくる私の衝動は、いつだって一度駆り立てられると止まらない。調べたところ、BSOことボストン交響楽団と一緒でディスカウントの当日券、「ラッシュチケット」が毎週火曜日の演奏会に限って10ドルで売り出されるとの事、そこでボストン・シンフォニーホールに猛ダッシュ!してみた。
【オザワの壁画】猛ダッシュする必要はなかった。BSOの場合コンサート当日の夕方5時までにはボックス・オフィスに長蛇の列が出来ていて、並ばないとラッシュチケットはゲットできない可能性が高い。しかしボストンポップス=BPOのラッシュチケットに、列はなかった。「あれ?」と思いながら窓口に聞くと、あっけなく10ドルで当日券をゲット出来た。写真は、シンフォニーホール裏の駐車場に書かれた壁画(mural)。我らがマエストロ、オザワが真ん中にでかく描かれているではないか!
【ヒストリー】ボストンポップスオーケストラは1885年に創立。1881年にボストン交響楽団が設立された後、「夏の間にオーケストラでダンス・ミュージックも含めた軽音楽のコンサートを開いて音楽を多くの人に楽しんでもらいたい」というオーナ−の考えから生まれた。BSOのシーズンは5月で終わり、5月半ばから9月までがBPOのシーズンである。
【午後8時開演】BSOで来なれたシンフォニーホールに到着して、ホールのドアから1歩入ってまず驚いた。客席が取っ払われ、かわりにテーブルと椅子が置かれているのだ。客席からビールやワイン、サンドイッチなどの軽食が注文でき、それらを片手にリラックスしながら演奏が聞ける。私もビールなど注文し、ほろ酔い気分で演奏を聴く事にする。本日はダイエット中につき、「Amstel Light」を。
もう一つ驚いたのが、ホールの壁に当てられた美しいライティング。クラシックのボストン交響楽団の時にはない、エンターテインメントな演出がそこかしこに施されている。見に来ている客も、カップルや、ファミリー単位で一つのテーブルにつく、という感じで上流階級の社交の場といった雰囲気だ。
【やっと会えた、キース!】テーブルセッティングよりもライティングよりも、実は会場を入るなり雷に打たれたように目が釘付けになったのが、ボストンポップス第20代指揮者にして、その甘いマスクでBPOファン層を広げる事に大きく貢献する事となったキース•ロックハートである。
10年前、35歳の若さで指揮者に就任。以来そのルックスもさることながら、レパートリーを積極的に広げる野心も併せ持ち、音楽的才能をあますところなく発揮して現在に至る。きょうは、キースを見にポップスの演奏会に来たと言っても過言ではない。
【ちなみに】ボストン・ポップスを飛躍的に有名にしたのは第18代指揮者のアーサー・フィドラー。アーサー・フィドラーのあとを継いだのが映画音楽でも有名なジョン・ウィリアムズで、これまでにスターウォーズやE.T.など70曲以上を作曲した。しかしキース様の場合は、その若さと俳優のようなルックスからまず人気に火がついた。そのポピュラリティーを生かして、2つ前の写真(ぴんぼけだが)のように曲間にステージトークをふんだんに盛り込んだり、楽団がCDを出す時はCDジャケットにさまざまな衣装を着て登場したりと、ボストンポップスに新しい風を吹き込んだ。楽団側も、キース人気を最大限に生かそうとして、指揮の勉強以外に彼に「アクティング」のクラスを受けさせたり、コンダクターを前面に打ち出したパブリシティーを行ってきた。
しかし、デビューから10年。御年45歳となった人気者イケメンコンダクターは、昨年6月に同じBPOのバイオリニストだった中国系の奥さんと離婚。それもあり「僕自身、この人気に疲れたんだ。BPOにも新しい試みが必要だ。」と漏らしている。(ボストングローブ紙の記事より)ボストンポップスの演奏会自体、私が訪れた日も空席が目立っていた。グローブの記事によると、実際チケットセールスも「以前ほどではなく、下降線をたどっていることは事実」とのことである。
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【でもキース様♪】しかし、私にとって初めてのキース様鑑賞、いやいやボストンポップス鑑賞は、感動の一言に尽きる。コンダクターにつきものの燕尾服ではなく、黒いデザイナースーツに白いシャツ、ノータイのキース様が、拍手に応えて軽く膝を曲げるヨーロッパ風の挨拶をする。ああ、何て才能もあるのにいい男なのかしらん。。もろタイプ。。
いかんいかん,またキース様のことを語ってしまった。
本日の演目はショスタコヴィッチの「フェスティブ序曲」にはじまるクラシカル カウントダウンというシリーズ。リムスキー・コルサコフの「シェエラザード」のハイライト、ストラビンスキーの「火の鳥」のフィナーレ、チャイコフスキーの「ピアノ協奏曲1番」、そしてバーバーの「弦楽のためのアダージオ」(映画「プラトーン」でおなじみ)など1曲1曲が知っている曲だったので、非常に楽しめた。BSOよりも楽しめたんじゃないかってくらい。(あ、キースにめろめろだったせいだけじゃないですよ。ビールが入ってたせいだけでも、ないはずです。)
【アンコール】は「星条旗よ永遠なれ(Stars and Stripes Forever)」で、曲のクライマックスで写真のように星条旗がどかーん!と正面に降りてきて度肝を抜かれた。「アメリカイズム」大嫌いの私にはサブいぼが出そうになったけど、客はノリノリで大喜び。しかしこの「星条旗~」は、中学校の吹奏楽部のメンバーとして、運動会の行進の時に演奏した思い出がある。あの時はなんとも思わなかったけど、あれからウン10年。9・11以後の世界では、こうしたアメリカ・パトリオティズムを代表する曲は、アメリカ以外では忌み嫌われ、避けられているのではないかなあ。
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【ホールの廊下にもオザワ発見】しかし、ひさしぶりに才能もルックスも素晴らしいイケメンを見たので、もとい、いい音楽を聞いたので気分がいい。どんな女性関係の噂があろうとも、イケメンが指揮を振っているだけで、コンサートの楽しみ具合が、違うんだね〜。ところで、シンフォニーホールの廊下にはキースを指揮者に選出する際に一役買ったBSOの名誉指揮者、日本が生んだマエストロ、我らが小沢征爾の写真が現BSO指揮者ジェームズレバインと並んで飾られている。また聞きたいな、BPO。7月4日のアメリカ独立記念日には、チャールズリバーの川べりでキース様の、もといボストンポップスの無料コンサートが行われるそうだ。これは行かなくては。




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